大判例

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福岡高等裁判所 昭和27年(う)2391号 判決

児童福祉法所定の児童を使用する者は、児童の保護者又は監督者につき、或は児童の戸籍謄本(及びこれに準ずべきもの)等により即ち客観的に通常可能な調査によりその年令を覚知すべき方法を講じないで、漫然主観的に児童を満十八才以上であると信じたとか、或は児童が満十八才以上であると申述したとかの事由を以てしては児童福祉法第六十条第三項にいわゆる児童の年令を知らないことにつき過失のないときに該当するものとし同条第一項第二項所定の処罰を免れることはできない。

けだし同法第一条第一項には「すべて国氏は児童が心身ともに健やかに生れ、且つ育成されるよう努めなければならない」旨規定し、国民のすべてが児童が心身ともに健やかに育成されるよう努力すべき義務のあることを明かにしているのであるから、児童を殊に心身の健やかな育成を阻害すべき売淫行為に従事させるため使用する者は法律上児童の年令覚知については単に使用者の主観はもとより児童の申述のみを以てしては足らず、前敍のごとき年令覚知の方法を講ずべき義務を科せられたものと解するのが相当だからである。しかして記録を調査すると、原判示児童Oの年令については単に被告人が同女を二十才位と思つたとか、或は同女の同僚から二十歳であるとのことを聞知したとの事実を認められるに過ぎずして、被告人が前記説示のごとき法律上要請されている調査方法を講じた事実は全く認めることができない。

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